カルロス アルカラス:全世代の強豪を圧倒し、19歳にしてランキング1位の座に輝いた男子テニス界史上最年少王者。ナダルに憧れ、フェデラーを目指した力強くて速くて美しい「超・アグレッシブテニス」の革命児。

C.Alcaraz
テニクロ先生
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今日もTENICROに来てくれてありがとう。今回は次世代ナンバーワン候補の大本命と言われているC.アルカラスについて解説していくよ。

まずはここから:ビーストモードって?

テニクロ先生
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ビーストモード、つまり野獣のように攻撃的な様子という意味で、アグレッシブなプレースタイルを持っているアスリートに使われる表現だよ。

サーブを打っても、ストロークで展開しても、前に詰めても、走らされても、いつでもどんなところからでも獲物を仕留めるチャンスを伺い、とどめを刺せる攻撃力を持ってい流のがC.アルカラスの特徴です。

まずは論より証拠。

「ビーストモード」C.アルカラスの5試合ハイライトを実際に観てみましょう。

ちなみに、全米オープン2022準決勝、大激戦となった対ティアフォー戦の後は「どう勝ったのかおぼえていない。」というコメントも残しています。

プロフィール:国籍、身長、体重は?

テニクロ先生
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ここでC.アルカラスの基本的なプロフィールをチェックするよ。

名前(日本語)カルロス アルカラス ガルフィア
名前(アルファベット)Carlos Alcaraz Garfia
誕生日2003年5月5日
プロ転向年2018年
出生国スペイン
国籍スペイン
身長183cm
体重74kg
利き手右手
バックハンド両手
2022年9月現在

身長としてはR.フェデラーやR.ナダルより少しだけ小さいぐらいです。

N.ジョコビッチ、そしてビッグ3を追従する次世代D.メドベージェフ、A.ズベレフ、S.チチパスは全員190cmを超えてくるので、また彼らとは違うスタイルのテニスを楽しむことができます。(A.ズベレフに関しては198cm)

日本勢と比較すると、ウィンブルドンベスト8の戦績を誇る松岡修造さんは188cm、現在の日本テニスをリードする錦織圭選手は178cmです。

収入:ぶっちゃけ、テニスは稼げるの?

テニクロ先生
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ここで、誰もが気になるお金のお話をしていくよ。

キャリア獲得賞金:

$6,519,045

※2022年9月現在、日本円にしておよそ9億3,222万円

2003年生まれのC.アルカラスは、この記事の執筆時点(2022年9月)で若干19歳。

キャリア年数の短さに反して、ここに位置づけるとものすごい賞金額を稼いでいることがよくわかります。(この数字はスポンサーとの契約金等は入っていません)

このキャリア獲得賞金はシングルスとダブルスでの獲得総額になります。

C.アルカラスの戦績から考えると圧倒的にシングルスに比重をおいていることから、その多くはシングルスでの獲得賞金となります。

テニクロ先生
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西岡良仁選手が、自身のYouTubeチャンネルにて「【夢のある職業…】プロテニス選手ってどれくらいお金貰ってるんですか?」という動画を公開しているよ。

ランキング推移:毎年、快進撃!?

テニクロ先生
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ここではランキングの変化を見ていくよ。

2018.02.16 15歳

シングルス 1414T位

ダブルス -位

2018.12.24 15歳

シングルス -位

ダブルス -位

2019.04.08 15歳

シングルス 597位

ダブルス -位

2019.12.30 16歳

シングルス 492位

ダブルス -位

2020.12.28 17歳

シングルス 141位

ダブルス -位

2021.12.27 18歳

シングルス 32位

ダブルス -位

2022.08.29 19歳

シングルス 4位

ダブルス 539T位

テニスのランキングには大きな壁があると言われています。

世界を舞台に戦うようになると、200位〜300位のランキングの壁が多くの選手に立ちはだかります。

その次は、ランキング100位の壁。

さらには30位〜40位ぐらいにもう一つ大きな壁があるように感じます。

C.アルカラスは2020年で492位→141位、2021年で141位→32位、2022年の8月で32位→4位まで、驚くほど順調にそれらの壁を突破しています。

テニクロ先生
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特に2022年のシーズン序盤は、テニスファンの誰もが「アルカラスがやばい!」と話題にしていたよね。

ここは余談ですが、日本人選手としてランキン100位以内を経験したことある選手は以下の通りです。

松岡修造選手、錦織圭選手、西岡良仁選手、杉田祐一選手、ダニエル太郎選手、内山靖崇選手、添田豪選手。(2022年9月現在)

意外にも、長らく日本テニスの頂点に君臨し続けた鈴木貴男選手はトップ100の壁を打ち破ることはできませんでした。

特徴その1:爆裂フォアとストレートアーム

C.アルカラス
テニクロ先生
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ダブルベントアームとストレートアームの議論はC.アルカラスの強さを語る上でも出てくるよ。少し知っておくと今後はもっとテニスが楽しくなるかも知れないね。

C.アルカラスはそのストレートアームフォアハンドでポイントを組み立て、エースを量産し、時には強烈なカウンターパンチで流れをグッと引き寄せます。

写真の通り、このストレートアームとは読んで字のごとく、腕が真っ直ぐに伸びた状態でボールを打つフォアハンドのスタイルです。

有名なところだと、R.フェデラーやR.ナダル、他にも2009年の全米覇者のデルポトロなどはこのフォームを採用していて、ボールに力をうまく伝えたり、回転量をコントロールしやすかったりすると言われています。

2021年の全米オープン3回戦で大坂なおみ選手を破り、決勝までシード勢を打ち破り快進撃を果たしたL.フェルナンデスもストレートアームフォアハンドです。

テニクロ先生
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身長が168cmと小柄なL.フェルナンデスのフォームやフットワークは参考になるよね。たまにジュニアの試合などを観ていると、ごくごく自然にストレートアームを採用している選手を見かけることもあるよ。

特徴その2:コートカバー力と体幹で攻撃!?

テニクロ先生
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どこからでも打ってくる!そんな視点をもって、2022年のUSOPEN準決勝、アメリカ中の期待を背負って決勝進出にのぞんだF.ティアフォー選手の激戦をチェックしてみよう。

シンプルかつコンパクトなモーションでどこからでも打ち込み、チャンスとあらば前で決める彼のテニスはパッと見で超攻撃的だとわかります。

とんでもないコートカバー力、ショットの強度や精度を維持するための体幹に加え、ボールタッチのセンスの良さは、守りながらも常に攻撃のチャンスを作り出す展開を可能にする、ある意味で新世代のカウンターパンチャーと言っても過言ではありません。

彼の「超・アグレッシブテニス」が本領を発揮するのは、左右に大きく振られた時やドロップショットやロブなどで、ポイントが大きく展開した時にあると言えます。

この映像の相手となるF.ティアフォーも、「僕がテニスを選んだんじゃない。テニスが僕を選んだんだ。」と自身でも発言するほどテニスセンスの持ち主。

同大会においてはあのR.ナダルを撃破するなど、時には「ティアフォー劇場」とも呼ばれる勢いとバリエーションを持ち合わせた攻撃的テニスが魅力の選手ですが、この試合はそのF.ティアフォーをC.アルカラスがトータルで上回り勝利を収めたC.アルカラスの魅力がたくさん詰まった試合となっています。

特徴その3:実はドロップやロブの名手

C.アルカラスはコートカバー力や強打だけでなく、実はドロップショットやロブなど繊細なボールタッチを要求されるショットもかなりの成功率で決めてきます。

これにより、左右だけでなく前後に振られてもうまくボールを処理して次の展開を作ることを可能にしたり、ショットのセレクションを豊富に持ち合わせることで相手に的を絞らせないゲーム展開を実現しています。

先ほども紹介した全米オープン2022年準決勝対F.ティアフォー戦から、わかりやすいポイントがあるのでピックアップしてみました。

テニクロ先生
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ここから2ポイント連続でチェックしてね。3ポイント目は逆にF.ティアフォーの多彩なテニスもみれるよ。

ミニ特集その1:自国の英雄R.ナダルとの比較

R.ナダル
si.robi

スペイン出身で、使っているラケットはBabolatのピュアアエロ。

そう、C.アルカラスが比較されるのは自国の英雄R.ナダルです。

それもそのはず、R.ナダルも15歳でプロ転向、18歳でマスターズ優勝を果たしトップ10入り、グランドスラム(全仏オープン:ローランギャロス)を19歳と2日という若さで制覇した記録の持ち主です。

一方で、C.アルカラスも15歳でプロ転向、18歳でマスターズ優勝を果たしトップ10入り、グランドスラム(全米オープン)を19歳で制覇、男子テニス界史上初の19歳ランキングナンバーワンを成し遂げています。

C.アルカラス本人も「ずっとラファを尊敬してきた。彼が優勝した場面や戦っている姿を見て、たくさんのことを学んだ」と語る一方で、「僕は僕。」とはっきり言い切るスタンスです。

ちなみに、ビッグ3の一角として長らくテニス会に君臨するR.ナダルですが、多くの人はクレー・キングとして圧倒的な実績を誇り、グリグリスピンの効いた破壊力抜群のストロークで相手を圧倒するベースライナーとして認識されています。

ですが、ここ最近ではR.ナダルもサーブ&ボレーを織り交ぜてみたり、積極的に前に詰めたりする幅の広いテニスを展開しています。

現代テニスの攻撃という意味においては、この2選手を追いかけることでヒントが見つけられるのかも知れません。

ミニ特集その2:ビフォー・アフター

テニクロ先生
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余談なんだけど、もともとショートヘアではあったC.アルカラス。ほとんど坊主とも言えるベリーショートにしてから、グッとワイルドさが増して、一気にかっこよくなったよね。みんなはどう思うかな?

ビフォーはこの時期の投稿を参考にするとして・・・

アフターはこんな感じになります。(ぜひスライドで次の写真もみてください)

ミニ特集その3:vs 錦織圭選手との戦績は?

C.アルカラスは日本人選手との対戦がほとんどありません。

錦織圭選手、西岡良仁選手、ダニエル太郎選手、杉田祐一選手、添田豪選手、などは対戦成績がゼロです。

ここ最近、唯一C.アルカラスと対戦したのは内山靖崇選手で、2021年ウィンブルドン1回戦で激突しています。

この時はC.アルカラスが6-3、6-7(4)、6-2、3-6、6-3の大接戦をものにしています。

内山選手といえば、自身の名前を冠した大会をプロデュースしています。

2022年は地元北海道でフューチャーズの大会を2週間連続開催して話題を呼びました。

おわりに:これからのテニスを作る世代

怪我や故障の影響もあり、2022年シーズンはビッグ3(N.ジョコビッチ、R.ナダル、R.フェデラー)が絶対の時代もいよいよ終わりを告げようとしています。

かつてはランキング1位に君臨したA.マレーや全米オープンを制したD.ティーム、錦織圭選手などがビッグ3の牙城を崩すとも言われましたが、長い目でみるとあくまで一時的な流れに過ぎませんでした。

その次に出てきたのは、D.メドベージェフ、A.ズべレフ、S.チチパス、A.ルブレフ等の新しい世代。

実際、D.メドベージェフは全米オープン決勝でN.ジョコビッチを破り世界1位に輝くなど、ビッグ3の牙城を崩すことに成功、この世代の功績もあり、男子テニス会はまさに群雄割拠の時代を迎えようとしています。

そして息つく暇もなくそこに若い世代が食い込んできたのが2022年シーズンです。C.アルカラス、J.シナー、F.オジェ-アリアシム、C.ルードなどがその筆頭です。

この中からかつてのビッグ3のような絶対的王者が現れるのか、はたまた目まぐるしいランキング変動が繰り返されるのか、これからの男子テニスは目が離せない展開になりそうです。

テニクロ先生
テニクロ先生

ここまで読んでくれたみんな、どうもありがとう。最後にC.アルカラスとJ.シナーのコートレベルプラクティスの映像を載せておくよ。大人からジュニアまで、テニス状態したい人はぜひチェックしてみてね。